祭  2015-12-20

火渡り

秋葉山 火渡り

山頂の秋葉堂で方丈様が起こした火が護摩壇に運ばれる。西風が強かったが寒くはなかった。

今年も残りあとわずかとなった。暖かい歳の瀬だ。本町のおいべっさんでコートを出し、秋葉山で寒さが厳しくなるのが清水の約束事みたいなものだが、暖冬なのだろうか。各地で梅や桜が咲き始めているという。そのせいか野菜が育ちすぎ、採算割れで畑に埋めている所もある。少し前まで、品薄で価格が高騰していたのが嘘のようだ。

秋葉山 火渡り

火渡りの一時間ほど前、秋葉道への長い階段が参拝の人で埋まっていた。この後、行列は護摩壇近くまで伸びた。

以前から、5年後、10年後にとなり近所の人たちが、どんな暮らしになるのだろうかと考えることがあった。今は元気でも…と、起こるだろうことを考えるだけで、気が重くなる。他人事ではなく、自分の老後をイメージするからだ。

そして、東日本大震災が起きた。心配するだけでは済まないと思い、近所に呼びかけて防災訓練、避難訓練や、つながりを強めるために納涼会を開いてきた。そのつながりに民生委員や地域包括支援センターという専門家との接点を作ろうと昨年の2月に「となり近所見守りネットワーク」を立ち上げた。立ち上げたとは言っても、連絡員だけは決めたが規約があるわけでもなく、何か気づいたことがあれば、みんなで一緒に考えよう、難しい話は専門家の力を借りればいい、という緩やかなネットワークだ。

秋葉山 火渡り

護摩壇に火が入り、炎が乱舞する。いつもなら炎の写真をたくさん撮るのだが、今年は方丈様たちが唱和する般若心経の迫力に圧倒され、シャッターを押すのを忘れた。

取組みを始めてからまもない頃、ある人への見守りが必要になっている事に近所の人たちが気づいた。趣味のサークル活動に積極的に参加する行動的な人だ。ただ、サークルでも周囲が戸惑うことが増えてきていた。民生委員や地域包括に協力を求め、対応について相談を重ねた。そして、家族による認知症の診断、介護申請、デイサービスの利用と、数ヶ月で慌ただしい動きがあった。

秋葉山 火渡り

秋葉山下の五叉路近く、紅葉が輝いていた。

近所つきあいのなかで、不安から来る妄想や、生活感覚の混乱による行き違いなどが起こったが周囲の人たちが穏やかに対応することができたと思う。困ったことがあれば、専門家に聞けばよいという安心感は大きかった。後ろ盾は必要だ。ただ、認知症の進行は早く、訪問ヘルパーやお弁当の宅配だけでは生活ができなくなり、現在は施設に入居している。

来年2月、清水区の民生委員研修会で、「となり近所見守りネットワーク」を報告することになった。東日本大震災からまもなく5年、となり近所の5年間を発表する。これまでの流れを振り返る良い機会だと思う。

夜明け前の富士山

夜明け前、江尻船溜まりから見る富士山

2015-12-20 | Posted in お互いさま, No Comments »