2005年01月17日
由比町、蒲原町と静岡市の合併
静岡市と由比町、蒲原町の合併協議会は1月16日、住民から賛否を聞く意見発表会を開きました。私は由比の会場で、市長はじめ合併協議会委員、会場に集まった250人の住民の皆さんを前に、意見発表をしました。発言の全文を紹介します。ご感想をコメントにお書き下さい。
旧清水市民として蒲原町、由比町との合併を考える
静岡市民として、そして旧清水市民として、蒲原町・由比町との合併について意見を述べさせていただきます。
合併に対する立場は、「発表者名簿」にありますように、「その他」です、つまり、自分自身の意見が固まってないという立場です。
これまで、蒲原町・由比町合併協議会を全て傍聴してきました。
もっと言えば、私は、静清合併協議会も、最後の時、急遽開催された1回を除き、全て傍聴した経験を持ち、「わたしもひとこと・合併通信」を発行し、合併問題にずっと関わってきました。
にもかかわらず、現時点では、自分自身の意見を固めることができないでいます。今日は、そのことについて、述べたいと思います。

静清合併の経験
この合併は、由比町・蒲原町の皆さんにとって、どういう将来が予測されるでしょうか。
静清合併からまもなく二年が過ぎようとしています。昨年春、「わたしもひとこと・合併通信」で旧清水市民を対象に「合併後の実態・影響調査アンケート」を行いました。アンケートに寄せられた回答から様々なことがわかりました。
実質は吸収合併だった
第一に、清水・静岡は新設合併、言うところの対等合併でしたが、実質は「大きいところに合わせる方が効率的」ということで、ほとんどのことが静岡に合わせられました。
つまり、実際に行政を担う旧清水市の職員は、やり方を旧静岡に合わせ、中核市の仕事を覚え、政令市の準備をするという何重もの仕事が一挙に増えました。
合併の影響
第二に、市民については、行政と関わりが深い所から、その影響が出ました。
特に顕著なのは、行政と取引があった清水の事業者です。行政からの仕事が無くなりました。建設業界ばかりではなく、印刷、文房具、あらゆるものがそうです。
市民からも疑問の声がでています。税金ですから安い方が良いに決まっています。しかし、長い目で見ると、地元の事業者に仕事が廻らないことには、清水の地域経済の地盤沈下となり、事業者やそこに働く人ばかりでなく、活性化やまちづくりに影響が出てくるからです。
次に、自治会や社会福祉協議会など地域で活動する団体、その他の民間団体も、業務の委託や補助金などで行政と関わりの深い所から大きな影響が出ています。公民館活動も同じです。条例はまだ変わってないと言われますが、運営は大きく変わりつつあります。
また、本庁業務のほとんどが静岡に移ると、事業者や行政の業務の委託を受けるなどの活動をしている人たちは、なんでも静岡に出向くことになり、サービスが遠くなったとつくづく感じます。
市民サービスの変化は遅れて現れる
市民サービスは少し遅れて変わりつつあります。住民票などの窓口業務は何も変わりませんが、水道料など、すり合わせが済んでないものもあります。一般市民の所では、大型ゴミの収集などを除けば、変化はじわじわとくるでしょう。
清水・静岡どちらのやり方が良いか、というより、それぞれのまちに合ったやり方、歴史的な経過がありますから、子ども会でも何でも、民間団体まで合併して、静岡のやり方に合わせるのは無理があります。
隣町なのに、市としての制度や運営から、子ども会やPTAのような活動まで、これほどまで違うものかと、合併して初めて知りました。両者の違いを大きなまちに何でも合わせるのは無理というものです。
法的根拠が無い新市建設計画
さて、こうした旧清水市の現状と合わせて、忘れてならないのが、静清合併協ががきめた新市建設計画です。
合併協定書に明記されたこの計画は、宮城島弘正副市長が辞任するにあたって、「法的根拠が無かったことを後で知った」と述べられたように、何を決めたにしても、行うのは新市の市長と議会です。予算もそこで決められます。
新市建設計画を読み直してみると、15~17年度で完成予定だった危機管理センターを併設する新庁舎25億、15年度から実施予定だったオペラハウス100億やわんぱくドーム、16年度からの事業だったスノボー練習場30億など、とっくに建設がはじまっているはずの物がどこにも見あたりません。
私はハコモノ建設に反対だったので、無駄なものは無いほうが良いのですが、それにしても、情勢が変わったなどと説明されますが、合併協議会の財政見通しがあまりにもいいかげんだったと言わざるをえません。
合併後の市長と議会がすべてを決める
今、蒲原町・由比町との合併で、どのような未来図が描かれようと、こういう清水の実際を見る中で、私が皆さんに言いたいのは、全てのことが合併後に決まるという事実であり、それを決めるのは、地域自治区でもなんでもなくて、市長と議会であるということです。
国は三位一体改革で、地方への交付金補助金をますます削ります。合併をしない道も地獄です。吸収合併で苦労する道も地獄です。
先日、合併協議会を傍聴している時、蒲原総合病院の累積欠損金の協議の最中に、後ろの方で、「どうせ静岡が出すのだから、何年度分からなんて、どうでもいいじゃないか」という声が聞こえました。こういう大きな所に頼るのみの考えでよいでしょうか。これでは、合併したにしても、良い地域を作ることはできません。そうではなく、どちらも大変だとしたら、誇りを持って、自らの手でまちづくりを進める方が良いと申し上げたいです。
無関心な静岡市民
では、静岡市民として考えるとどうでしょうか。
静岡市民は、旧清水市民も含めて、この合併に関心がほとんどありません。静清合併協は沢山の傍聴者が見守りましたが、蒲原町・由比町との合併協議会に、静岡市民はほとんど見当たりません。
これが実態です。編入合併ですから、静岡側の市民サービスは変わらないので、関心が無いわけです。蒲原町・由比町の皆さんにとっては、賛成にせよ反対にせよ、死活問題であるにもかかわらず、無関心なのです。
静岡市への変化が示されていない
しかし、市全体で考えると、色々あります。傍聴して建設計画などの資料をいただいたのですが、静岡にとってどうなのかは、全く示されていません。
財政は特例債の借金を背負うことになりますし、蒲原町・由比町から税収がどれくらいあり、住民サービスを同じにすると支出がどれだけ増えるかなどの数字は示されていません。
静岡市も財政が大変苦しいといいます。だとしたら、この合併でどれだけ負担が増えるのでしょうか。お金のことばかり言いたいわけではありません。合併を通じて、静岡市はどう変わりますか。桜海老を静岡市の特産品と言えるようになる位はわかりますが・・・。
私は、ここにいらっしゃる合併協委員の皆様が、編入合併であっても、静岡にとってどうなのか、早急に判断材料を市民に示していただくよう願うものです。
その上で、私たち静岡市民も、賛成か反対か、自分たちの意見を出していくべきと考えます。ご清聴ありがとうございました。
(2005年1月16日 由比町中央公民館での意見発表)
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