第一分団

まちかどに「火の用心」の看板が出始めた。いよいよ暖房を出す季節になったことを告げている。
秋葉山の祭りで、昼間行われる「纏まつり」は、辻の第一分団が出発点になり、辻町商店街から、矢倉さんの前を通り、秋葉山まで練り歩く。
清水全地区と由比町、蒲原町、富士川町の消防団が、纏を回しながらゆっくり歩く。所々の見せ場では、纏が大きく広がり、沿道から拍手が出る。

第一分団は、閉店した「正月屋」の角を国道に曲がった所にある。シャッターに、描かれているのは「未来のまち」なのだろうか。
辻の商店街を、静清国道に向かうと、重機が入って整地をしている場所がある。映光カメラと、望月海苔店が取り壊され、マンションの建設工事が始まったのだ。
がらんとした空間に、あと数ヶ月もすると、マンションが建ち、昔の景色が記憶からどんどん消えてゆく。
「未来のまち」を造ることは、無数の記憶を壊し地中に埋めることだ。重機の作業は、未来への手続きであるが、過去の埋葬でもある。
人の暮らしも時代のなかで変わる。栄枯盛衰は世の定めと思いつつ、昔の姿が消えてゆくことに、寂しさがつのる。
