次郎長最中

庵原屋の和菓子を頂いた。店は清水銀座、文具の四葉の隣にある。
「次郎長最中」が美味しかった。洒落た包装も味を引き立たせてくれる。大量生産ではない、店主の拘りを感じた。チェーン店の洋菓子屋が繁盛しているなかで、昔ながらの和菓子屋さんは苦労しているのかもしれない。
商店の経営努力が足りないと指摘する人がいるが、そうは思えない。どの店でも売上を伸ばすための努力をしていると思う。ふんぞり返って商いをしている店を見たことがない。愛想と、品揃えは別次元だ。誰でも、愛想がいいに決まっているが、マニュアルに指示された笑顔だけで、中身のない店もある。
昔と同じような商品を扱っているのは、数が少なくとも、それを買い求める人がいるからである。並べてある種類が少ないのは無駄な在庫を置かないためだ。売れ筋ばかりを扱うことで、馴染みの客を拒むことができない、優しい心根があるから、店の作りも質素になる。
新しいものを生み出すことが努力なら、昔からの物を守り続けることも、努力と呼びたい。
小さな八百屋で、「この店は人参一本でも買いに来れるからいい」という話をしてくれた人がいた。
暮らしのなかで無理をしないで行き来ができる距離がある。その距離は人によって、年齢によって異なる。
車で移動する人、自転車の人、ジョギングも兼ねて歩く人、杖を頼りにすり足で歩く人。いろいろな人の距離に合わせた店が揃っていることが、暮らしやすいまちなのだと思う。
2005年1月8日(土)
清水銀座にある大きな鯨の彫刻は、この地が鯨漁と縁が深かったからではなく、歩道の改修工事の完成を記念して造られたものらしい。なぜ江尻に鯨なのか、地元の人に聞いても由来を知らなかった。
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