夜の体育館

子どもの頃、暗くなるまで校庭で遊んでいた記憶がある。
夕暮れ時に、宝を校庭に埋め、家に帰って地図を作った。翌朝、地図を友人たちに見せて、宝探しごっこをやった。みんなに判らない場所に埋めるためには、誰もいない校庭が必要だった。親や先生が知らない、子どもたちだけの遊びはスリルが必要だ。

金曜日の夜、用事があって浜田小学校の体育館に出かけた。少し早めに着くと、剣道の練習をしていた。
面をつけた上級者と、胴着だけの入門者に分かれての練習だ。コーチの大きな声、子どもたちの気合いが体育館に響く。「はじめ」という合図で、一斉に竹刀が弾ける。昼間の学校では見られない姿だ。
浜田小の体育館は校舎から少し離れた、チャンチャン井戸の近くにある。舞台袖から上を見上げると、ステージを照らしていたのは蛍光灯と白熱灯が見える。
この灯りの下で、入学式、卒業式が行われている。当たり前のことなのだが、気持ちが引き締まる思いがした。夜の学校には独特の雰囲気がある。