静岡総合研究機構の情報誌「SRI」9月号で竹内宏理事長は「対等合併の混乱」と題された論文のなかで、「対等合併の場合は長い期間にわたって混乱する」ことを企業合併での例から説明している。また、「市民の不満と小さい都市の職員の不満が相乗的に作用して爆発する」ことも予想されることから、新市が「ダイナミックな政策」を打ち出す必要性を指摘している。今号は「合併の先にあるもの〜地域再編後の姿を探る〜」テーマで特集を組んでいる。

    竹内宏理事長が「対等合併後の混乱」を危惧

     竹内理事長の論文は「どんな組織でも合併は混乱するもの」だが、対等合併と吸収合併では事態が異なることことを説明している。

     吸収合併の場合は、吸収した大きな組織が人事や方針を決める力をもっているから、吸収された側は不満があっても「反抗する力がないので、新組織に溶け込もうと努力」することから、「吸収合併は多くの場合成功する」。

     しかし、対等合併した企業では「新組織のトップが誰であるのかはっきり決められない」。「たすき掛け人事」で、バランスを取ろうとする。本社ビルをどこにするのがが問題になるが結局調整がつかず分散する場合が多いと竹内氏は指摘する。

     新日鐵では一体化するまでに20年ぐらいかかったという。みずほ銀行も対等合併で旧来のシステムを温存したことが混乱の原因となったことを、具体例として上げている。

    市町村合併でも企業と同じ問題が発生

     「何年もかけて、住民参加の協議会」を開催することは必要だが、「そうしても、規模が違う都市の対等合併は難しい」。その理由として、いくつかの事柄を上げているが、静清合併のことを指摘していることは言うまでもない。

     対等合併といっても、新市名は「大きな市の名前がそのまま新都市の名前になる」。組織や行政のやり方は市によってかなり違うが、「これも多勢に無勢であって、大きな市のやり方が通る可能性が大きい」。

    都市合併の目的は行政コストの削減

     大きな市のやり方を押しつけられる結果となった、小さな市の職員の不満と、合併のよって行政サービスが低下したことへの市民の不満が「相乗的に作用して爆発するかもしれない」という指摘する。

     こうした混乱を防ぐためには、新市の「自立的な経済成長力を備えるようなダイナミックな政策を提示する」ことの大切さを結語としている。

     静清合併の現実を振り返って見たとき、竹内氏が指摘する「爆発するかもしれない」という危惧は実感として理解できる。それは、「ダイナミックな政策」が見えてこない現実のなかで、ますます緊張感を増してゆくことになるだろう、

    (02年10月24日)

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▲静岡総研の情報誌SRI・No.70(02年9月30日発行)

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竹内宏理事長の論文
 「対等合併後の混乱」(全文)

  「竹内宏の経済情報」に収録

(財)静岡総合研究機構

静岡総合研究機構の座談会に合併通信代表の磯谷千代美が出席した
  00年2月発行のSRI・No.61に収録


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