負担増になる国保の一元化案
静岡市と清水市と一元化しなければならない事務事業で、合併後に先送りされたものは637件ある。そのうち45%にあたる287件については、方式と内容が決まったことが10月7日に発表された。
しかし、一元化のやりやすいものから審議をすすめているため、最後に困難な問題ばかりが残っている。国民健康保険も、そのひとつである。
国民健康保険制度は、今年度中に一元化の結論をだすため、静岡市国民健康保険運営協議会(会長・池ヶ谷恒雄市議)が答申案を審議してきた。11月5日に開かれた第5回会合で、これまで旧清水市が採用していた「旧ただし書き方式」で一元化をはかることが決められた。
清水と静岡で違う算定方式
これまで静岡市は総所得金額から各種控除を差し引いた額で算定する「本文方式」を、清水市は総所得金額から基礎控除を差し引いた額で算定する「旧ただし書き方式」を採用してきた。
しかし、一元化案として出される旧清水市の方式は、低所得者層に大きな負担増となる内容となっている。委員からもは「行政の努力の跡が見える案として、練り直して出してほしい」と納得できない発言が出された。
小嶋市長は11月11日の定例記者会見で「国保の市民負担軽減を考えなければならないが、この問題は合併の原則だけでは考えられない」と語り、負担増は避けられない立場を示している。
負担増に反対の声
負担増を強いる新方式に反対する、静岡商工会は、「市民サービスは高い方に、負担は低い方に合わせるという合併の条件を守って欲しい」と、市庁舎内で座り込みを行い、11月12日に予定していた最終答申案を審議する協議会の開会を阻止した。
旧静岡市では国保への財政援助を3億8千万円行ってきた。一人当たりでは2231円、一世帯当たりでは4360円になる。しかし、旧清水市ではまったく行われてこなかった。仮に、財政援助の総額が同じままとすると、新市では一人当たり777円減の1454円になり、減額分がそのまま個人の負担増となる。
【資料】両市の算定方式の違い
政令市は国保に財政援助
全国の政令指定都市では国民健康保険への財政援助として、一般会計から繰り入れを行っている。一人当たりの金額でみると、一番低い神戸市で6055円、一番高い名古屋市では2万9025円、13政令市の平均で1万3160円になる。
合併協議で繰り返し説明された「市民サービスは高い方に、負担は低い方に合わせる」という条件が、実現するのか口約束に終わるのか、合併の真価が問われている。
(03年11月13日)