静岡市は「事業の一元化」で、三保羽衣薪能と駿府城薪能を隔年開催する方針を決めていたが、地元からの反発に「円満解決」を望んだ市が白紙に戻した。
隔年開催に対して、清水地域自治会連合、三保地区連合自治会、清水商工会議所、静岡市観光協会、清水文化協会の5団体は連名で、「三保羽衣薪能」の継続実施を求める要望書を6月7日に提出する予定だった。
今年度は、隔年開催の初年度として、三保羽衣薪能にだけ予算が計上されていた。今後の運営については来年度予算案の方針が固まる、秋に再度協議することになった。
駿府城と三保羽衣の薪能
羽衣まつりは1984年(昭和59年)から開催され「三保羽衣薪能」を中心に、、能「羽衣」に魅せられたフランスのバレリーナ、エレーヌ・ジュグラリスを記念する国際交流の行事が開催されてきた。全国各地で行われている薪能のはしりでもあった。
能楽に造形が深かった徳川家康公を顕彰する駿府薪能は、1997年(平成9年)から毎年5月に駿府城巽櫓前特設舞台で開催されている。駿府城での能舞台は、静岡の伝統文化を市民にアピールする場でもある。
財産としての伝統文化
市から、駿府薪能に3970万円の委託金、羽衣まつりに1000万円の補助金が出ていたが、同じ事業だからという理由で隔年開催を決め、今年度は三保羽衣薪能にだけ1000万円の予算を付けていた。
三保羽衣薪能が開かれる地元の清水第五中学校では、5年前からは総合学習で能に取り組み、学習の成果を羽衣まつりで発表している。
総務省は合併により、「各地域の歴史、文化、伝統が失われる」という不安に対して、「新市町村の貴重な財産として守っていくべきもの」と説明している。地元に密着した行事は守り続けるべだ。